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4月活動日誌その2
羅須地人鉄道協会

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3月から本格的に開始された軌道改修工事も、いよいよ全面運休による軌道切り替え工事を迎えました。
今回の活動日誌は4月21・22日に行われたまきば線、いや羅須地人鉄道協会始まって以来の大規模軌道工事の様子をお届けします。

今回の工事は給水塔の先の踏み切り部分からガラスハウス前の乗り場手前までの全長約100mの区間の線路敷き換えで、次のような目的で行います。

1、新ヤード建設に向けての本線分岐器設置
車両の増加に伴い、留置線増線や修理環境改善のため、新ヤード建設を計画しており、そのための分機器を設置します。また、あわせて現在の機関庫線への分岐器、通称「当日でっち上げポイント※」の解消も目的としています。

※建設当時、当初予定になかった分岐を、有り物のクロッシング、フログレールなどを組み合わせ数時間で作ってしまった分岐器。たまに空荷のナベトロが脱線する。

2、踏み切りからガラスハウス前乗り場への線形・線路改良
踏み切りからガラスハウスにかけての線路はまきば線初期に建設され、特にカーブ部分はカーブもきつく、また曲げ方も稚拙で、この曲線は通称“47角形(命名:豊Nカントク)”とも呼ばれていました。これを“きれいな”カーブに敷き直し、あわせて道床等も含め線路そのものも改良してしまおうというものです。

3、15kg/mレールへの交換
現在まきば線は一部に15kg/mレール※を使用していますが、ほとんどは12kg/mレールを使用しています。今回は新規に敷設する部分にほとんど15kg/mレールを使用し、線路の強化を図ります。

※1mあたりの重さが15kgのレール。一般に重ければ重いほど、耐荷重が増え、安全性が増す。ちなみにJR在来線では50〜60kg/mレールを使用。

これにより現在レストア中の「1号機」も不安なく走行できるまきば線にしようというものです。


 
 
・21日(土曜日)
まずは既存の線路撤去開始。
パワーショベルで線路・道床の撤去から始めます。紅い“無鉄砲”つなぎのU太さんが線路を掘り起こしその横で、豊Nさんが新規設置の分岐器の枕木を切りそろえます。
で、“無鉄砲”U太さんがばりばり道床を削り始めます。
枕木+道床の厚み分を削り、平らに整え、分岐器安置の準備をします。
“レール山越器”で設置場所の横に仮置きしてあった分岐器を吊り上げて、移動させます。
従来の部分(手前)と新規設置の分岐器のレールを締結します。
ゆっくりと砕石を積んだナベトロを入線させ、砕石を散布し、続いて豆ジャッキで大まかなレベル(水平)を出し、枕木の下に砕石を入れていきます。
気がつくと、空からは雨粒がぽつぽつと…。感電の危険があるので電動式のタイタンパーは使えません。
でも、羅須地人は止まりません。ビーターを使って工事は続きます。…トコショット。
ポイントの位置が決まったところでその先の線路のための枕木を並べていきます。
一方、デルタ線側の分岐器の入れ替えもすすみます。従来の12kg/mレールの分岐を山越器で取り除き、新しい15kg/m分岐を設置します。
両端の分岐器が決まったら、その間をつなぐ線路を敷設します。
バールでレールと枕木を密着させ、犬釘でとめていきます。
線路がつながる部分でレールを突き合わせ、余った部分をレール切断機通称“でんでんむし”でカット。盛大に火花が飛び散ります。
気がつくと夕暮れ。雨のなか、投光器を持ち出して工事は続きます。
 

この日は分岐器2台の設置とその間の線路を作ったところで工事終了。
周囲はすっかり暗くなっていましたが、まだ砕石は入っておらず、また分岐して乗り場方向に向かう線路は手付かずです。


 
 
・22日(日曜日)
昨晩までの雨も上がり、朝早くから昨日の続きの作業が始まります。
昨日敷設した線路にナベトロで砕石を散布していきます。

「♪砕石、さ〜いせき、まっきほぉだ〜い、まっきほぉだい、ヨロレイヒ〜!」

一方、砕石置き場では、5両のナベトロを総動員して砕石を積載していきます。
「♪砕石、さ〜いせき、積っみほぉだ〜い、積っみほぉだいヨロレイヒ〜!」
ちなみに今回砕石は10tダンプ3台分を用意してありましたが、2日間でその2/3を散布しました。

…まっきほぉだいヨロレイヒ〜!

砕石が入ったら豆ジャッキで軌道のレベル(水平)を出して、歪みを直しながらタイタンパーで砕石を突き固めていきます。ありったけの豆ジャッキが並ぶとなかなか壮観です。
一方、離れたところから事務局長がレールを見とおして、それぞれの豆ジャッキの高さを指示していきます。一つ指示を間違うとレールが歪んでしまう重要な任務です。
さぁ、事務局長はこの重責に応えることが出来たのでしょうか…。

一方、分岐器の位置が決まったところで乗り場へ向かう軌道の付け替えも始まります。
今までの線路(右側)よりも軌道敷を外側(中央部)にずらし、太いレールで緩い曲線の軌道にするのです。
まず、前回までにくみ上げた軌匡(レールと枕木を組み合わせたもの)を予定地に順番に並べていきます。
一方、乗り場近くの部分からもレールを外して、パワーショベルで道床を削り、整地していきます。
そして並べた軌匡を締結し、軌道の形を整えていきます。
「位置がおかしい」「曲率がヘン」などの部分は全員でバールを持って修正していきます。
今回は人力のほか、パワーショベルもお手伝い。
「せ〜の、よっこいっ!※」
※線路工夫の掛け声は「ヨッコイ」だそうです。
曲線部が組みあがったところで、従来線へつながる直線部の敷設・修正です。
大親分の指示のもと、カーブの出口付近はパワーショベルで固定しつつ、先端部をバールで修正していきます。
曲線部分の位置が決まると、さっそく砕石を散布、軌道を固定していきます。いずれも腕に覚えの有る“タンピスト”たちが、タイタンパー4台でばりばりと砕石を突き固めていきます。

「♪タ〜イタンパ、タ〜イタンパ突っきほぉだ〜い、突っきほぉだい、ヨロレイヒ〜!」

一方、反対の乗り場側も、ようやく従来部(左側)と今回敷設部分(右側)のレールが締結されます。
つながった当初はこんなカンジ。
まだ、レベル(水平)も左右の“通り”も出ていないので、軌道はぐにゃぐにゃ。
一方、右側の旧線はどんどん剥がされていきます。
夕暮れになってきましたが、今日中に終わらせなければ明日からの運行ができないので、完成するまで工事は終わりません。
軌道の通りを直すため、パワーショベルも使って修正です。
もう日も暮れて投光器に灯が点ります。
いつも冗談を交わしながら作業をする羅須地人も、もう無口になってしまい、「よっこい、よっこい」の掛け声以外は黙々と作業を進めます。
あたりは真っ暗になりましたが、線路はまだ完成しません。
午後8時頃、休憩を入れ夕食をとることとなりました。しかしいつものようにゆっくりと食べるわけにはいきません。メンバーの一人がコンビニまでおにぎりやカップ麺などを買い出しに行き、簡単な夕食となります。
思い返してみれば午後1時にコンビニ弁当の昼食をとってから、ずっと肉体労働をしていましたからみんなおなかもペコペコです。
食後もゆっくりしているヒマなど有りません。最後の力を振り絞り、軌道の修正作業を始めます。
投光器に照らされた軌道の通り(左右の振れ)を修正する向こうでは、もくもくとタイタンパーでの砕石突き固めが行われます。

最後の修正個所の修正が終わりました。豊Nカントクが厳しい目でチェックします。
「それじゃ、一度列車を通してみようか…」
どうやら目視ではなんとか合格したようです。

ナベトロしか入線していなかった線路におそるおそる酒井DL101号機+1501が入線します。
豊Nカントクは懐中電灯を手に沈み込みをチェックしています…。
皆の目がカントクに注がれます。
…どうかうまく修正できていますように。…豊NさんのOKが出ますように。

 
・完成
「よし、いいでしょう!」
午後9時21分、とうとう豊NカントクのOKが出ました。完成です。
「やったぁ〜!」
みんな雀踊りして完成を喜びます。全員もうくたくたのはずですが、その顔は喜びでいっぱいです。
その後後片付けも終わり、最後に事務局長がまきば線を離れたのは午後10時30分のことでした。
夜遅くまでかかりましたが、作業に関わった方、どうもお疲れ様でした!

ちなみに事務局長の手にはマメが4つ(うち1つは破損)、すねにはアザ多数(タイタンパーの本体が当っていた)などぼろぼろでしたが、アドレナリン大放出中の彼にはあまり痛みは感じなかったそうです。


 
・定点観測
では、線路付け替えを定点観測でどうぞ。


(21日午後3時15分)


(22日午前11時20分)


(22日午後8時54分)



 

・新車登場
本来、3フィート6インチゲージ(JRなどのゲージ)用だった保線用軽便トロを豊Nさんからご寄付いただき、T本さんが2フィートゲージに改軌、まきば線に入線しました。
今回の工事では、犬釘やモール・ペーシ(レール締結金具)の運搬や、酸素・アセチレンボンベの移動に大活躍しました。
大変軽く、また、二つ折りにも出来るため、大人二人で持ち運び可能です。
…2フィートゲージのレールがあるところに夜な夜な羅須地人がコレ持って出没したりして…。

 
 
・成田ケーブルテレビが取材に!
21日、成田ケーブルテレビのカメラマンの方が我々の活動の取材にいらっしゃいました。
この日は線路工事真っ盛りでほとんどお相手が出来ませんでしたが、良い映像が撮れましたでしょうか。
地域ニュースということで放送されたそうですが、なんだか、工事風景ばかりで一般の視聴者にはわかりにくかったかもしれませんね。
成田ケーブルテレビでは、ひきつづき定期的に取材されるということですので、成田ケーブルテレビをごらんの皆様、ご期待ください!
…って我々のメンバーでも成田ケーブルテレビを見られる環境を持っている人が全くいないんで、我々も見れないんですけど。

 
 
・春の新番組「軌道工事戦隊バールマン」
悪の軌道歪みを直すため、遠い羅須地人星からやってきた正義の軌道工事戦隊バールマン!
普段は普通(?)の人たちだが、ひとたび歪んだ軌道を見つけると、安全ベストを着用してバールマンに変身だっ!
今日も豊N司令の指示のもと、5人の力を合わせ、軌道を直すぞ! ちょっとへっぴり腰の人もいるけど気にしないぞっ! さあ、必殺技軌匡ずらしだ!せ〜の、ヨッコイっ!!
・春の新番組その2
ちゃららっちゃちゃ〜、どかん、どかん。…コンバ〜ット!←主題歌のつもり
“事務局長”軍曹「この先のトーチカ(そんなものありません)まで線路沿いに匍匐前進だ! 行くぞ“K田”伍長、ドイツ兵に見つかるなよ!」
K田「…大丈夫かな、この人」

ホントは線路の歪みを見ていたのです。見よ、この真剣なまなざしっ!
…でも、ナベトロに轢かれないようにね。



 
・線路工事の風景その1
シナリオ1
豊N「おまえら、こんな線路敷いて一体どういうつもりだっ!」
事務局長・K田「はは〜っ、申し訳ございません〜、お許しを〜!」ぺこぺこ。

シナリオ2
王様「屈服のしるしにワシの靴をなめるのじゃ〜!」
奴隷「はは〜っ、仰せのとおりに〜!」かわるがわるぺろぺろ。

※もちろんフィクションです。ホントは軌道の歪みを見ています。
 


 
・線路工事の風景その2

豊N「もうこんな線路を敷くヤツに用はない。勝手にしろ!」
事務局長「そ、そんなぁ〜、待ってっ、捨てないで〜!」がっくし。
※もちろんフィクションです。フィクションですってばっ!

ちなみに左側レールが途中で盛り上がっているのがお分かりでしょうか?
あれだけ真剣に見ていたのに、やはりフシアナだったようです、事務局長の目は。
 

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