5月活動日誌特別編
6号機が再び走るまで |
羅須地人鉄道協会
事務局長 相場二郎 |
今回の特別編にはいつもの活動日誌とは比べ物にならないほど、 事務局長の個人的な独断、偏見、思い込みが 大量に含まれているものと思われます。 また、事務局長の思い違い、勘違い、自己中心的解釈などにより
その点にご配慮の上お読みください。 なお、事実誤認に付きましてはご指摘いただきましたら
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2000年5月4日午後9時50分、復活した6号機とその仲間たち
・5月4日午後9時41分… | ||||||||||||||||||
「ぴぃぃぃーっ!」
6号機の甲高い汽笛の音がまきば線に響く。 代表の角田氏が6号機のレギュレター(スロットルバルブ)をゆっくりと開ける…。
その6号機が角田氏を乗せ、杉氏の、永沢氏の、塚本氏の、そしてレストアに立ち会った多くのメンバーたちの目の前を、ゆっくりと走っていく。 …ぼくらの前に、あの「6号機」が帰ってきた。
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・前日まで | ||||||||||||||||||
クラブハウスに常備されている「羅須日誌」をひもとくと、6号機レストア作業に着手したのはちょうど1年半前の1998年12月7日にさかのぼる。
修正のため動輪を小田急電鉄大野工場に搬出したことがその日の「羅須日誌」に記されている。 当時はまきば線での初の新製車両であるフラットカーの製造が第一で、6号機のレストアの動きは遅々たるものだった。1999年春になり、キャブや配管、ボイラーが取り除かれ、台枠が作業用台車に載るが、それはまだ「解体作業」の域を出ていなかった。 そして、ばらばらになった6号機を見て、多くのメンバーは実際に走るようになるのは「まだまだ先だな」と思ったに違いない。なにせ6号機はほんとうに「ばらばら」だったのだから。 その後少しずつ作業は進むが、その作業が加速し始めたのは、1999年秋ころからであった。永らく外されたままだった動輪がとうとう台枠にはまり、ボイラーの水圧検査も無事終了となったのが9月、11月に入り、水タンク、ボイラーが台枠に載るころになると、「6号機」は俄然「きしゃ」らしくなってきた。その後羅須の誇る技術陣の角田・塚本両氏を中心として、3号機の問題点を生かした改良も施されつつ、6号機のレストアは進んでいく。
2000年になり、6号機のかたちがどんどん見えてくるにつれ、多くのメンバーが、「ひょっとして6号機は5月には走れるようになるのでは」と思いはじめていた。だが、レストア作業の中心的メンバーのひとり塚本氏にその問いをぶつけても、彼はいつもの調子で「ん? 走んないかもよ」といつものとおりそっけなく答えるだけだった。しかし、羅須のメンバーの中で、この5月の連休での復活に一番こだわっていたのは、実は彼だったかもしれない。 実際4月に入ってからのレストア作業の進捗には目を見張るものがあった。3月末の段階で、6号機にはキャブはまだ載っておらず、塗装も下地が塗り終わっているだけだった。傍目にはまだまだ時間がかかりそうに見えたのである。事実、作業の進捗を見続けてきた事務局長でさえ、5月の復活の可能性はそれ程高くないと思っていた。 しかし、その後6号機は着実に組みあがっていった。他のメンバーの、連休に間に合うかの問いに対しては、相変わらず「間に合わないかもよ」とそっけなく答えていたが、塚本氏の頭の中には5月の連休に向けた段取りがしっかりと組まれていたのであろう。
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・5月3日 | ||||||||||||||||||
復活の前日、5月3日。6号機はまだ組みあがっていなかった。
3日の未明にまきば線に到着した塚本氏は、朝の作業開始時に、手に鉄製の小さな「箱」のようなものを持っていた。
そしていよいよ5月4日を迎える…。
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・5月4日 | ||||||||||||||||||
午後3時過ぎ、塚本氏から周りにいるメンバーに声がかかる。
まだまだメタルが馴染んでいないのか、それとも油が回り切っていないのか、転がりがとても重い。庫の土間コン部分を抜け、カーブにかかると、ちょっと線路が上っているせいもあり、それ以上前に進まなくなる。しかし煙突は機関庫の屋根の外だ。
午後9時過ぎ、6号機の安全弁から蒸気が漏れはじめる。安全弁の微調整が行われる。
クラブハウスでくつろいでいたいたメンバーたちも機関庫前に集まってくる。
午後9時20分、圧力計の針が最大使用圧力の6.0kg/cm^2(0.6パスカル)を指す。いよいよ6号が動く時がやってきた。
メンバーみんなに促されるようにして
汽笛のレバーを引く。
代表の角田氏が6号機のレギュレター(スロットルバルブ)をゆっくりと開ける…。 そしてゆめは現実になった…。 |
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羅須地人鉄道協会
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